2017年02月09日

土こうじ 第3回目の切り返し


土こうじを仕込んで6日目。

第3回目の切り返しを行いました。
(ブログにはアップしておりませんが昨日第2回目の切り返しをしています。)


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切り返し前の温度もしっかり50度近くまで上がっています。

発酵後期になると、初期に感じられた甘い香りから、

湿気臭いような、かび臭いような香りに変わってきます。
(縁の下の臭いに例えられます。)

これは仕込み初期はコウジ菌が繁殖してデンプンをブドウ糖に変え、

そのブドウ糖を酵母菌が高級アルコールに変えることで甘い芳香が感じられるのですが、

後半になるとコウジ菌や酵母菌が生み出した糖質やアルコール、アミノ酸等をエサに放線菌が増殖するためです。



端的に表すと土こうじは以下の段階を経て完成に至ります。

@ コウジ菌が繁殖してデンプンをブドウ糖に分解する
A 酵母菌が繁殖してブドウ糖を高級アルコールに分解する
B @、Aにより生成した糖質や高級アルコール、その他アミノ酸等をエサにして放線菌が増殖する
(※実際には納豆菌、乳酸菌、その他土着の微生物が複雑に関与しながら有機物の分解が進みます。)


土こうじは最終的に山土に放線菌を増殖させることが最大の目的なのです!




放線菌は野山に普通に存在する微生物です。

放線菌の中には抗生物質を産生する種類が多く、抗生物質として有名なストレプトマイシンも

ストレプトマイセス属の放線菌が産生します。

自然界においても放線菌が病原菌の活性・増殖を抑えることがわかっています。

土こうじ最大の狙いは放線菌により病害微生物の繁殖を抑えることにあります。

もちろん、土こうじ中には放線菌のみならず酵母菌をはじめとする様々な有用微生物が増殖しています。

有用微生物が産生した発酵生成物(アミノ酸、核酸、ビタミン類、植物ホルモン様物質…)が作物の根張りや生育を良好にします。




連作や化学肥料の経年使用により荒れ、地力が低下した圃場では、生息する土壌微生物が少なく、かつ種類も単純化しています。

このような土壌に土こうじを施用することにより、病原菌の繁殖を抑えるとともに土壌微生物の数も種類も豊かにします。

土壌微生物が豊かになり、そのバランスも改善されれば土壌中の未利用養分も微生物により分解され、作物が利用できるようになります。

このような土こうじの作用は疲弊した圃場や開墾後間もない圃場でとくに効果を発揮します。

作物が作りにくくなった、地力が落ちたと感じたら、堆肥の施用とともに、土こうじの利用も検討してください。




さて、実際の仕込み作業に話を戻しますと、3回目の切り返しが終わったら土こうじの完成です。

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定植前の圃場に鋤き込んだり、定植済みの圃場であればベッドや通路に散布してください。

保存する場合は薄く広げて温度を下げつつ乾燥させることで発酵を止め、長期保存が可能になります。


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完成後は薄く広げて小山にすることで乾燥を促します(※写真は発酵肥料です)。


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バイム農場では現在講習会で仕込んだ高級粒状肥料や鶏糞粒状肥料を乾燥中で倉庫のスペースがないため、ひとまず山を低くして対応しています。

肥料の乾燥が済んだら、空いた場所に土こうじを広げて乾燥させる予定です。




(山添)



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2017年02月07日

土こうじ 第1回目の切り返し


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昨晩のうちに降り積もった雪で銀世界のバイム農場です。


さて、土こうじを仕込んでから丸4日、第1回目の切り返し作業を行いました。湯たんぽ+電熱マットの山はほぼ全体が50度まで温度が上がっています。湯たんぽのみの残りの2山は30度と、まだ完全に熱が上がった状態ではありませんが、こちらも切り返しを行います。仕込んでから日数が経っていますので、このまま放置すると温度が上がる前に山の底の部分が酸欠で嫌気発酵を起こしてします。温度がなかなか上がらない場合でもどこかで見切りをつけて切り返しを行う方が良いです。

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温度が上がった山にスコップを入れるとモクモクと湯気が立ち、土こうじ独特の甘い香りがしてきます。


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盛んに好気発酵を行っているので山土がパンのようにふかふかになっています。雪のちらつく中、ホイールローダーで切り返し作業を行いました。外気温は0度です。


今回は熱の上がった山を3等分して、そこに残りの2山の土を混ぜて再び3山としました。こうすることで熱の上がった山の土が種火となって、3山が満遍なく発酵が進み、温度が上がってくると思います。

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しっかり温度が上がっていれば、これ以降湯たんぽは必要ありません。温度の上がりが弱いときは引き続き湯たんぽを投入してください。


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農場では念のため1山だけ電熱マットを被せ、湯たんぽは入れませんでした。


明日50度前後まで温度が上がっていれば第2回目の切り返しを行います。




(山添)
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2017年02月06日

土こうじのその後

先週金曜日に仕込んだ土こうじ。

じわじわと温度が上がり、湯気が立つようになってきました。土こうじの表面にはすでに糸状菌の菌糸が見えます。

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高いところでは50度くらいまで温度が上がってきていますが、全体的に見ればまだまだ温度が上がってきていない部分もあるので今日は切り返しを行いませんでした。

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仕込んでから丸3日が経ちました。風をしのぐことができる倉庫内であればもう少し早く温度が上がっていたかもしれません。もし、3日経っても全く温度が上がってきていなかったら一度切り返し作業を行い、冷えた一斗缶湯たんぽを交換して再度様子をみてください。

堆積する際は山を高くすると熱が蓄積しやすくなります。外気温の高い夏場に仕込む場合や、発酵が進んで温度が上がり過ぎそうなときは山を低く、細長くします。そうすることで外気に触れる表面積が増し、熱を放散しやすくなるため、過度な温度上昇を防ぐことができます。



(山添)
posted by 酵素の世界社 at 17:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 山添研究員 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする